ホテルにクレーマーリスト(UGリスト)ってあるの?
こんな疑問をお持ちの方もいらっしゃるのではないでしょうか。
結論、ホテルにはクレーマーリストが存在しています。
では、どんな人がクレーマーリストに入ってしまうのか。
この記事では、ホテルのクレーマーリストに関して解説していきます。
この記事で分かること
- ホテルのクレーマーリストの正体
- ホテルのクレーマーリストに入る人の特徴
- ホテルのクレーマーリストに入るとどうなるか
Contents
ホテルのクレーマーリスト・UGリストとは

ホテルには、クレーマーリストと呼ばれるものが存在します。
クレーマーリストと呼ばずに、「GUリスト」と呼んでいる場合もあります。
UGリストは、「undesirable guest(アンデザイアブル・ゲスト)」という意味です。
両者とも意味はほぼ同じで、ホテル側から見たときの「ブラックリスト」的なものをイメージすればOKです。
なお、UGリストにおける「undesirable=望ましくない」の解釈は正直難しいです。
一般的には、以下のようなものを指すケースが多いです。
どのような行為がUGに当てはまるか明確な決まりはないですが、限度を超えた要求や宿泊料金を支払わずに逃げるなどの行為、脅し行為などがこれに当てはまります。
おもてなしHR
施設のスムーズな運営や業務の遂行を大きく妨げ、ときには犯罪ともとれるような行為などもあるため、ホテルや旅館ではUG対策として「UGリスト(ブラックリスト)」を作成し、顧客管理に役立てているケースも多いです。
このように、ホテル側は独自に基準を設けて、ブラックリストを作っていることがあります。
クレーマーリストを作っていないホテルもある

クレーマーリストですが、全てのホテルが作成しているわけではないです。
実際に現場で働いている人の意見を聞くと、
「ウチのホテルにはクレーマーリストなんてなかったよ。」
と言っていた知人もいました。
しかし、クレーマーリストがなくとも、ホテルは顧客情報を管理しています。
そもそも、よほど古いホテルでもない限り、PCで顧客情報を管理します。
そして、管理画面の中でクレームがあった顧客に関しては、何らかの記載がされることが多いです。
また違う際に宿泊した際に、トラブルにならないようにするためです。
過剰なクレームをしている人は、ホテルマンの中で情報共有されていると思った方がいいでしょう。
ホテルのクレーマーリストに入る人の特徴

ホテルのクレーマーリストに入ってしまう人は、どんな人なのでしょうか?
具体的には以下のようなケースが考えられます。
それぞれ解説します。
過剰な要求をする人(アップグレード等)
クレーマー認定されやすい人の多くは、過剰要求者です。
・部屋をアップグレードしろ(無料で)
・アーリーチェックインさせろ
・レイトチェックアウトさせろ
これ系の過剰要求が該当します。
支払っている料金以上のサービスを求めてしまう系の人です。
精神に異常をきたしている人
ホテルのクレーマーリストの中には、明らかにおかしい人も入ります。
おかしいというのは、精神的におかしな人を指します。
・誰かに見られている気がする
・部屋の中を監視されている
・部屋の中で物音がする
などなど、精神疾患なのか薬物なのかもよく分からない系の人です。
クレームと言うよりも、明らかにおかしいからNGにしたいと思われる系です。
過剰なお酒を飲んでいる人
ホテル側がクレーマーリストに入れたい人の1つに、お酒関連が挙げられます。
お酒関連はいろんなパターンが考えられます。
例えば、チェックインの際にすでにベロベロに酔っ払っている人。
あるいは、缶チューハイ片手にフロントに来る人。
室内で過剰なアルコール摂取をして暴れる系の人。
このタイプのお酒トラブルに発展する可能性のある人は、クレーマーリストいきになります。
もちろん、実際にクレームやトラブルが起こらない事もあります。
ただ、ホテルによっては危険人物としてマークしていると言う事です。
大声で怒鳴る系のクレーマー
フロントで怒鳴り散らかす人。
これはクレーマーリスト一直線です。
クレームの内容はこの際どうでもいいです。
皆が利用するフロントでお大騒ぎする系は、完全に営業妨害です。
そのため、今後の対応を変えないといけないです。
よって、クレーマーリストには入りやすいです。
ホテルのクレーマーリストに入るとどうなるか

なお、ホテルのクレーマーリストに入るとどうなるか気になる人も多いと思います。
そこで最後に、「ホテルクレーマリストに入ったらどうなるか」を解説します。
原則:旅館業法第5条で宿泊拒否の禁止が定められている
クレーマーリストに入ったらそのホテルを二度と使えないの?
こんな疑問もあると思います。
しかし、クレーマーリストに入ったからと言って、即出禁になるわけではないです。
と言うより、法律でそれは禁止されています。
宿泊事業に関しては「旅館業法」が適用されます。
そして、旅館業法第5条では宿泊拒否の禁止が定められています。
よって、宿泊事業者は、原則お客さんの宿泊を拒むことができません。
従業員の対応のヒントにしているケースが大半
出禁にできないのなら、クレーマーリストなんて意味ないのでは?
確かにそれは一理あります。
ただ、ホテル側は出禁にするためというより、事前にトラブルを防ぐことを目的にしています。
クレーマーリストに入っている顧客が来る場合、従業員は事前にそれを知ることができます。
顧客データに以前のクレーム内容を記録しておけば、事前対策も可能です。
クレーマーリストは、このような目的で使われることがほとんどです。
カスハラ対策強化の流れで出禁もあり得る
クレーマーだからと言って、簡単には出禁にできない。
これが従来の考え方でした。
しかしそもそも、例外的なケースもあります。
まず、以下のようなケースでは宿泊拒否が可能です。
・宿泊者が他の宿泊者に著しく迷惑を及ぼす言動をしたとき
・暴力的要求行為や合理的な範囲を超える負担を求められたとき
ただ、この認定や線引きが難しく、出禁にするハードルが高かったのが昨今の課題でした。
しかし、近年の法改正でカスハラ対策が強化され、宿泊拒否のハードルが下がりました。
今回の法改正では、以下のような場合は宿泊拒否が可能だと、厚労省はガイドラインを示します。
このことは、ニュースでも報じられました。
そのため、クレーマーリストに入った顧客の中には、出禁を食らう人も今後増えるでしょう。
実際にクレーマーを出禁にした例も多く報告されています。
最後に:ホテルにクレーマーリストってあるの?UGリストに入る人の特徴
最後に、本記事のまとめを残しておきます。
この記事のまとめ
- ホテルのクレーマーリスト・UGリストとは:
- ホテルには「UGリスト」と呼ばれるクレーマーリストが存在し、過剰な要求や料金未払い、脅迫行為などの顧客を記録します。
- クレーマーリストを作っていないホテルもある:
- 全てのホテルがクレーマーリストを持っているわけではなく、顧客情報をPCで管理していることが多いです。
- ホテルのクレーマーリストに入る人の特徴:
- 無料での部屋のアップグレードやアーリーチェックインを要求する人。
- 精神的に異常があると思われる人。
- 過剰にお酒を飲んでトラブルを起こす人。
- フロントで大声で怒鳴る人。
- ホテルのクレーマーリストに入るとどうなるか:
- リストに名前が載ると必ずしも出禁にはならず、従業員は事前に警戒する。
- 近年の法改正により、極端な行動をする宿泊客に対して宿泊を拒否しやすくなっています。
クレーマーに関しては、以下の記事でさらに詳細が分かります。
クレーマーの特徴・心理・対処法について総合的にまとめています。