世の中には、「クレーマー」と呼ばれる人がいます。
しかし、クレーマーとはそもそも何を指しているのでしょうか?
具体的にクレーマーとはどのような定義でなされているのでしょうか?
この辺り、疑問に感じられる人も多いと思います。
そこで本記事では、クレーマーとは何かという定義を解説すると共に、クレーマーの特徴を解説していきます。
この記事で分かること
- クレーマーとは何か?定義について
- クレーマーの特徴3つ【クレームの言い方別】
- タイプ別クレーマーの特徴6選
- ハードクレーマーの特徴【一般クレーマーとは別種】
Contents
クレーマーとは?クレームやカスタマーハラスメントの定義

そもそも論として、クレーマーとは何を指しているのでしょうか?
結論、クレーマーの定義というのはかなり曖昧で、人によって定義が異なっています。
そこで、色々な人のクレーマーの定義を紹介していきます。
弁護士の見解
まず最初に、1人の弁護士先生のクレーマーの定義を紹介します。
弁護士先生によるクレーマーの定義は以下の通りです。
クレーマーとは、商品やサービス、従業員の接客態度などについて、苦情や改善要求等を申し立てる人のことをいいます。その中でも特に、クレームの内容やクレームの行為態様が異常なクレーマーを「悪質クレーマー」といいます。
中日総合法律事務所
弁護士的な見解では、
・苦情
・改善要求
などを企業側に申し立てた人を全てクレーマーと表現しています。
そのため、サービスに満足せず、何か従業員に意見すればクレーマー認定ということでしょう。
ただ、クレーマーとは別に「悪質クレーマー」という言葉も使っています。
これは、通常のクレーマーと明らかに区別するために使われている言葉です。
おそらく世の中の人がクレーマーと定義しているのは、「悪質クレーマー」の方ではないでしょうか?
悪質クレーマーは、
・クレームの内容やクレームの行為容態が異常
とされています。
ポイントは「異常」ということなので、どうしても主観的な要素が入ってしまいますね。
公益社団法人の見解
次に、公益社団法人「日本パブリックリレーション」様の見解を紹介します。
クレーマーの定義は以下の通りです。
現在では、企業に対して執拗な抗議をしたり、あらを探しては利益の供与を要求したりする“常習性の苦情屋”をいう。正当な抗議であるかどうかの判断が困難な場合も多く、加えてインターネットメディアの発達により、クレームに対する企業の対応は従来にも増して困難かつ重要になっている。
公益社団法人「日本パブリックリレーション」公式サイト
こちらは、弁護士さんと異なります。
・クレーマー=執拗な行為を行うもの
・クレーマー=常習性の苦情屋
という表現でクレーマーを定義しています。
特にポイントは、「常習性」という言葉です。
1回クレームを入れるだけならともかく、何度もしつこく執拗にクレームをする人をクレーマーと定義しています。
厚生労働省の見解

厚生労働省の見解はどうでしょうか?
厚生労働省は、クレーマーではなく「カスタマーハラスメント」という言葉を使って定義しています。
定義は以下の通りです。
カスタマーハラスメントとは、顧客や取引先など(以下「顧客等」といいます。)等からのクレーム全てを指すものではありません。顧客等からのクレームには、商品やサービス等への改善を求める正当なクレームがある一方で、過剰な要求を行ったり、商品やサービスに不当な言いがかりをつける悪質なクレームもあります。不当・悪質なクレーム、いわゆるカスタマーハラスメントからは従業員を守る対応が求められます。
厚生労働省「カスタマーハラスメント企業対策マニュアル」
厚生労働省は、クレームを2つに分けて考えています。
・正当なクレーム
・不当/悪質なクレーム
この2つです。
違いとしては、「過剰な要求」「不当な言いがかり」がポイント。
過剰や不当という言葉なので、主観的な要素が入ります。
ただ、マニュアルでは以下のような定義がなされています。
また、クレーム内容や行為の正当性に関しても、以下のような定義がなされています。
世間一般的に、クレーマーと呼ばれている人々に該当するのは上記のようなクレマーではないでしょうか?
クレーマーの特徴をクレームの「言い方」別に3つに分類

次に、クレーマーの分類をしていきます。
クレーマーの分類方法は様々です。
そこでまずは、クレームの言い方別に3種類に分類して紹介します。
①感情的なクレーマーの特徴
1つ目は、クレームの内容が「ザ・感情的」なタイプ。
このタイプは、怒りがクレームのベースにあります。
そして、思うがままに自分のフラストレーションをぶつけてきます。
勢いよく、
・こんなのおかしい
・詐欺まがいの商品
・聞いてるのと違う
などなど、片っぱしから不満を言い散らかすタイプです。
ただ、怒りさえ治れば自然に解決することも多い。
そういう意味では、ある意味一番まともなクレーマーです。
②論理的なクレーマーの特徴
2つ目は、論理的な物言いで淡々とクレームを言ってくるタイプのクレーマーです。
このタイプは、決して感情任せに物を言ってくるわけではありません。
一通りのロジックは通っていて、相手の問題点を確実についてきます。
正直、間違っているわけでもないので、従業員も「確かにな...」と思うこともあります。
高学歴でIQの高い人も多いのも特徴的です。
そのため、この手のクレーマーと論理戦をしてもいい事はまずありません。
仮にある1つの点で相手を論破しても、別のポイントで話を変えられてクレームの嵐になります。
③ネチネチ系のクレーマーの特徴
3つ目は、とにかくネチネチとクレームを言ってくるタイプです。
このタイプは、感情型でも論理型でもありません。
ただただ、長々とあれやこれやと文句を言い続けるというタイプです。
感情任せに大声を出したりするわけではありません。
ロジック武装して、反論しずらいクレームを言ってくる訳でもありません。
一言で言えば、しつこいクレーマーです。
担当者からすると、ずっとお説教を聞かされることになり、これまた苦痛です。
クレーマーの特徴6選【タイプ別に分類して解説】

次に、クレーマーの性格に注目して、クレーマーの特徴を説明します。
タイプ別のクレーマーの特徴は、大きく分けて以下の6つに分類されます。
なお、上記分類に関しては「クレーム対応の全技術」という書籍を参考に解説しています。
それぞれ解説していきます。
①主義主張を訴えるタイプの特徴
「お金払ってるんだから、〇〇ぐらいしてもらって当然。」
お客様は神様だと勘違いしているタイプの典型的な特徴です。
金銭に見合った対価を受け取ることは当然なので、クレームを聞けというマインドです。
正当な対価を要求している場合は、真摯に対応しないとマズイです。
しかし、金銭に見合っていない対価を要求してくると「悪質クレーマー」です。
線引きが難しいのもこのタイプの特徴の1つです。
②常識が希薄なタイプの特徴
クレーマーの中でも、「非常識な人」に該当するのがこのタイプです。
このタイプには、常識や社会通念のようなものが通じません。
「普通に考えて...」
この「普通」の感覚が著しく世間とかけ離れています。
例えば、「塾に行かせたんだから成績が上がらなかったら返金するのが筋!」みたいなケース。
指導を受けたという対価を受けているのに、そこは無視して返金要求をしてしまう人もいます。
しかしこのタイプは、「私の何がおかしいの?」と心の底から思っています。
いつまでも話が平行線になって、クレームが長期化することも多いです。
③理屈っぽいタイプの特徴
これは、クレームの言い方で分類した「論理的なクレーマ」と重複します。
このタイプは冷静に物事を見ており、矛盾点を徹底的に追求してきます。
企業としては、正直なところ落ち度があるケースも多いです。
そのため、これらのクレーマーを一律に悪質クレーマーとするのは良くないです。
企業としては、対応できること・できないことを明白に区別して、問題解決に取り組むしかありません。
④くどくどお説教タイプの特徴
これもまた、クレームの言い方で分類した「ネチネチ系クレーマー」と重なる部分が大きいです。
このタイプは、論理型と決定的に違う点があります。
・社会のためになることをしたい
という、ある種の正義感が行動の出発点になっている点です。
このタイプのクレーマーは、高齢者や企業の重役などに多く見られます。
「君たちの会社のためを思って...」
と枕詞を添え、アドバイスとクレームを織り交ぜてきます。
⑤罵詈雑言タイプの特徴
このタイプは、「感情型クレーマー」の最終的に行き着く先です。
感情任せにクレームを言うという点では変わりません。
しかし、その言い方が明らかに度を越している場合も多々あります。
・馬鹿ヤロー
・舐めてんのか
・ふざけんな
と言った、中学生ヤンキーがそのまま大人になったようなクレーマーです。
このタイプは、どこにブチ切れスイッチがあるか不明です。
ロジックが通用する相手でもないのが特徴です。
⑥優柔不断タイプの特徴
最後は、やや変わったクレーマーです。
このタイプは、一言で言えば「決断力がない」クレーマーです。
何かしらのクレームを入れるところが、事の発端です。
しかし、企業側が提示する解決案を中々飲みません。
・それが本当にベストなの?
・他にもっと違う対応の仕方はないの?
と、話が長期化していきやすいです。
担当者はある程度テンポよく対応しないと、それだけで1日の時間を奪われかねないです。
ハードクレーマーの特徴4選

ここまでは、一般的なクレーマーの特徴を紹介してきました。
しかし世の中には、「ハードクレーマー」と呼ばれるクレーマーも存在します。
そこで、ハードクレーマーの特徴に関しても、合わせて紹介します。
①時間のある暇つぶしクレームの特徴
ハードクレーマーあるあるの1つが、「時間のある暇つぶしクレーム」です。
そもそも、クレーマーは基本的には暇人です。
暇で時間があるからこそ、クレームに膨大な時間を使ってしまうのです。
そのため、このタイプのクレーマー対応は長期戦を覚悟する必要があります。
彼らは、十二分に持て余した時間を、ゲームに費やすような感覚で使ってきます。
中々話を切ってくれません。
解決策を提示しても、中々飲み込んでくれません。
暇人クレーマーは、数あるクレーマーの中でも相当手強いです。
②病的なクレーマー
ハードクレーマーになるタイプの特徴として、病的であることが挙げられます。
一般的にハードクレーマーの何割かは、精神疾患の可能性があると言われています。
そのため、心の病気が原因でクレームが過激化しているケースも多いです。
このタイプも、一般的なマニュアル対応で対処不能です。
組織全体で対応するしか手がありません。
③パラノイアタイプのクレーマー
パラノイアタイプのクレーマー。
一言で言えば、「自己中心的なクレーマー」です。
このタイプのハードクレーマーは、一切話を聞こうとしません。
終始自分が話し続けて、担当者の声に耳を貸しません。
マニアックなこだわりがあるのも特徴の1つです。
常に自分が正しいと勘違いしており、一切落ち度を認めようとしません。
そのため、落とし所を探って解決案を提示しても、高確率で受け入れてもらえません。
電話での対応を諦め、文書などで対応するしか手がありません。
④筋論クレーマー
筋論クレーマーは、「論理型クレーマー」の最終形態です。
このタイプは徹底した論理武装で企業相手に戦いを挑みます。汗
しかし、一般的なクレーマーとは決定的な違いがあります。
・問題の提示自体を目的としている点
これです。
一般的なクレーマーは、企業の商品やサービスの改善を目的にクレームを入れます。
しかしこのタイプのハードクレーマーは、クレームそのものが目的化しています。
なぜなら、ロジックの主張をすることに一種の快感を覚えているからです。
しかも厄介なことに、頭はいいので筋が通っている...
企業の担当者が少しでも矛盾のある反応をすれば、一気に攻めてきます。
その分野に対して専門的な知識を持っていることも多く、一つの言い間違いが命取りになります。
まとめ:クレーマーの特徴を踏まえて対処法を考えることが重要

クレーマー対応をする場合は、クレーマーの特徴に応じた対処法を講じることが重要です。
感情タイプに論理でぶつかってはいけません。
論理タイプに、真っ向から論理で勝負を挑むのも違います。
ハードクレーマーであれば、そもそも一般的な対処法で対応すること自体が間違いだったりします。
クレーマーの特徴を正しく把握すること。
クレーム対応の仕事をしている人は、まずはクレーマーの特徴を分類してみましょう。
総括:【クレーマーとは】該当する全特徴13選!タイプ種類別に分類一覧
最後に、本記事のまとめを残しておきます。
この記事のまとめ
- クレーマーの定義と特徴
- クレーマーは商品やサービスに対する苦情や改善要求をする人。
- 特に異常な行為をする人を「悪質クレーマー」と称する。
- クレーマーの分類
- 感情的なクレーマー:感情を前面に出し、フラストレーションをぶつける。
- 論理的なクレーマー:ロジックを用いて冷静にクレームを述べる。
- ネチネチ系のクレーマー:長々と不満を述べ続ける。
- タイプ別クレーマーの特徴6選
- 主義主張を訴えるタイプ:適切な対価を求めるが、過剰な要求も。
- 常識が希薄なタイプ:社会的常識に欠ける。
- 理屈っぽいタイプ:矛盾点を徹底的に追求。
- くどくどお説教タイプ:正義感から行動。
- 罵詈雑言タイプ:過激な言葉遣いで感情的。
- 優柔不断タイプ:決断力に欠け、対応が長引く。
- ハードクレーマーの特徴4選
- 時間のある暇つぶしクレーマー:膨大な時間をクレームに費やす。
- 病的なクレーマー:精神疾患の可能性あり。
- パラノイアタイプ:自己中心的で、話を聞かない。
- 筋論クレーマー:ロジックで戦い、クレームそのものが目的。
- クレーマー対応の重要性
- クレーマーの特徴に応じた対処法の適用が重要。
- 感情的なタイプや論理的なタイプには異なるアプローチが必要。
- ハードクレーマーには一般的な対処法が効果的でないことも。
クレーマーに関しては、以下の記事でさらに詳細が分かります。
クレーマーの特徴・心理・対処法について総合的にまとめています。
