世の中には、いきすぎたクレーマーを出禁にする店舗があります。
民法には「契約自由の原則」があるため、店舗は顧客を選ぶことが出来ます。
そのため、店側がクレーマー認定した客は出禁にされても文句は言えません。
では、店側からクレーマー扱いで出禁にしてもいい人はどんな人物なのでしょうか?
本記事では、クレーマー扱いされて出禁になる痛い客の特徴を解説していきます。
また、クレーマーを出禁にしたい場合の伝え方に関しても解説します。
この記事で分かること
クレーマー扱いで出禁にしてもいい人の特徴
クレーマー相手に出禁を伝える上手な方法
クレーマーを出禁にしたらどうなるか
クレーマー扱いで出禁にしてもいい人の特徴5選

お店側からクレーマー扱いされて、出禁にしてもいい人の特徴を解説します。
なお、ここでは一般的にクレーマ扱いで出禁になっている人のパターンを例に挙げます。
ポイントは以下の通りです。
声が大きくて存在が迷惑
声が大きい。
もうね、これは一発アウトの可能性があります。
クレームの内容とか、トーンとか、ロジックとかそういう問題じゃない。
シンプルにうるさい人。
これは明らかに他のお客さんにとって迷惑。
仮に大きなお金を落としてくれる人でも、出禁になっても仕方ないです。
特に評判ありきでビジネスが回っている店舗は、大声であれこれ言う人は即出禁です。
居酒屋で出禁になる人が多いのはこの理由。
やかましい奴認定されたら、もうその店には行けません。
大した収益にならないのに文句は一丁前
2つ目の特徴は、シンプルに費用対効果の比較です。
お店が顧客を出禁にするかどうかを決める理由に、プラスマイナスの計算があります。
クレーマーが作りだす収益 > 店舗が我慢する損失
この不等式が成立するのであれば、お店もクレーマーに対して我慢できます。
我慢した方が、結局お店にとってプラスだからです。
ただ、その逆は無理。
クレーマーが作りだす収益 < 店舗が我慢する損失
この状態だと、店側からすれば赤字みたいなもの。
損得勘定で、シンプルにクレームを我慢するに値する価値がないと思われたら出禁。
実際のところ、こんな理由で出禁になっているクレーマーも多いです。
主観的にムカつくと思った人

クレーマー扱いされる人って、結局これ。
・なんかムカつく奴
仮に声が大きくても、まあワンチャン許せることってあります。
クレームを聞くことが正直マイナスでも、商売だから多少多めに見ることもあります。
出禁にして変な噂流されるリスクもありますからね。
ただ、本気でムカつく奴は無理。
正直なところ、個人でやっている店舗で出禁になるクレーマーって、大体コレです。
この場合、クレーマーからすると意味が分からないって思う人も多いでしょう。
正直、クレーマーの主張が正しいとしても、出禁扱いされる人って一定数います。
この場合、お店の人の完全なる主観で出禁にされています。
シンプルにあなたのことが嫌いだから出禁。
世の中こんなもんです。笑
先述した通り、民法には「契約自由の原則」があります。
お店にはお客さんを選ぶ権利があり、その基準は基本的に何でもOKです。
店舗が提示するルールを守れない人
店舗側が提示するルールを守れない人は、クレームを言っても問答無用で出禁にされやすいです。
よくある事例は、「ドレスコードを守らない人」です。
店舗によっては、サービスを利用する際にドレスコードを指定する所もあります。
しかし、このドレスコードについてクレームをつけ、何とか入り込もうとする人もいます。
このタイプのクレーマーは、割と速攻で出禁を喰らいます。
店側のルールに従えない人は、正直よほどの太客ではない限り、クレームしても出禁になります。
ほとんど犯罪者と同じ人
最後は、もうほとんど犯罪者みたいな人です。
正直、悪質クレーマーと犯罪者は紙一重です。
大声でのクレームはほぼ恫喝です。
金銭要求(タダにしろも含む)は、脅迫罪。
長時間居座るのも不退去罪。
このような、クレームと言う名の犯罪行為をする人も出禁対象です。
と言うより、このタイプは警察対応でいいので、出禁なら甘い処分です。
クレーマー相手に出禁と伝える上手な方法&事前準備

あなたが店舗の経営者である場合、必ず以下のような課題に直面する瞬間が来ます。
・このクレーマーを出禁にしたいんだけどどう伝えたらいい?
当然ですが、出禁を顧客に伝えると言うのは、かなりハードです。
ですが、経営者として断固として対応しなければいけません。
そこで、クレーマーに出禁を伝えるコツを伝授します。
ポイントは以下の通りです。
それぞれ解説します。
【大前提】出禁ルールを明文化しておく
まずそもそも論ですが、いきなり「お前出禁!」と伝えるのは至難の技です。
様々なトラブルも想定されるため、この事態は絶対に避けたほうがいいです。
基本的に出禁を伝えるためには、
・ルールに従って出禁にするしかない
と言う建前が必要不可欠です。
例えば飲食店であれば、
・お店の中でタバコを吸った場合は出禁
・当日の予約を1時間前にしたら出禁
・酒に酔っ払って店内の物を壊したら出禁
みたいな感じで、出禁にすべきルールを先に決めておきます。
そして、その条件に該当したことを理由に出禁を告げます。
店の中にルールを張り出しておくのが重要です。
また、店舗のHPがある場合は、HPにその規約をきちんと載せておきましょう。
そうすることで、今感情的に出禁を決めたわけではないことを、客観的に伝えられます。
まずはこの大前提を理解することが出発点です。
メールや書面で伝える
出禁を相手に伝えるときは、とにかく目の前でトラブルが起こらない事が重要です。
そのため、出来るだけ対面で出禁を告げることを避けるべきです。
よって、書面かメールで出禁の旨を伝えましょう。
※書面というのは郵送のことです。
こうすることで、対面で取っ組み合いの喧嘩や言い合いが起こるリスクを排除できます。
正直、出禁は言い方の問題ではなく、伝達経路が重要です。
出来るだけ直接接触せずに済む事に意識を向けましょう。
堂々と出禁を伝える【毅然とした態度】

基本的には、メールか書面で出禁を伝えるのが原則です。
そして、出来れば「書面郵送」が一番理想的です。
メールだと何度もやり取りが続く可能性があるからです。
ただ、場合によっては自分の口でハッキリと出禁を告げなくてはいけない時もあります。
そんな時は、毅然とした態度で堂々と出禁を伝えてください。
間違っても、「大変心苦しいのですが」的なフレーズで言い訳しない事です。
顧客を出禁にするということは、その人との完璧なる決別を意味しています。
そして、出禁にするということは、あなたの立場から見たときに顧客が間違っていると判断したということ。
それは、どういう形であれ、出禁にした段階で顧客には伝わります。
であれば、一切弱さを見せずに、覚悟を持って今回の処分をしたというスタンスで行くべきです。
この期に及んで弱腰だと、さらなるクレームの嵐が来るだけです。
弁護士経由で出禁を伝えてOK
最後は、弁護士経由で出禁を伝えるという方法。
ここまで読んで分かると思いますが、トラブルリスクゼロで出禁を告げる魔法の方法はありません。
出禁を告げるのには、そもそも大きなリスクがつきものです。
なので、当事者だけで解決しようとしないことも大事な視点。
この手の顧客トラブルですが、弁護士に頼めば代行してくれる所も多いです。
弁護士の内容証明であれば、相手の住所に弁護士の名前で書類が届く事になります。
こうなれば、流石に相手もビビります。
費用はちょっとかかってしまいますが、手堅く問題解決が可能です。
クレーマーを出禁にしたらどうなるか【法的効力】

クレーマーを出禁にするとどうなるのでしょうか?
クレーマーを出禁にすると、法的な効力が発生します。
ポイントは以下の通りです。
なお、上記は弁護士さんのサイトを参照しております。
→出禁とは?法的効力やトラブルへの対応方法を解説!
それぞれ簡単に解説します。
建造物侵入罪
出禁にしたのに店舗、相手が店舗に入ってきた場合。
この場合は「建造物侵入罪」です。
不法侵入なので、警察を呼んで対応してもらう事になります。
不退去罪
出禁にしたのにやってくる。
その上で、帰ることをお願いしても帰ってもらえない。
この場合は、「不退去罪」です。
これも同じく警察対応案件になります。
損害賠償請求
出禁にした人が店舗に来て、何かしらの損害が発生した場合。
例えば、その人の対応で余分な人員を割く事になってしまった等です。
この場合、「損害賠償請求権」を行使し、相手に訴えを起こすことが可能です。
ただ、民事訴訟になるので、これは中々に手続きがめんどくさいです...
最後に:クレーマーで出禁にしていい人の特徴5選!迷惑客に出禁を伝える方法
最後に、本記事のまとめを残しておきます。
この記事のまとめ
クレーマー扱いで出禁にしてもいい人の特徴5選
- 声が大きくて存在が迷惑 - 他の客にとっての迷惑が考慮され、大声で騒ぐことが出禁の理由になる。
- 大した収益にならないのに文句は一丁前 - クレーマーによる収益が店舗の損失を補わない場合、出禁となる。
- 主観的にムカつくと思った人 - 店主の主観により、特に個人経営の店で出禁になることがある。
- 店舗が提示するルールを守れない人 - ドレスコードなどの店舗ルールを守らない人が対象。
- ほとんど犯罪者と同じ人 - 実際に法的な問題を引き起こす行動を取る人も出禁対象。
クレーマー相手に出禁を伝える上手な方法
- 【大前提】出禁ルールを明文化しておく - 出禁の基準を事前に明確にし、それに基づいて行動する。
- メールや書面で伝える - 直接的な対面でのトラブルを避けるために、文書で通知する。
- 堂々と出禁を伝える【毅然とした態度】 - 必要な場合は断固として態度を崩さずに伝える。
- 弁護士経由で出禁を伝える - 法的なバックアップを得て、弁護士を通じて出禁を伝える。
クレーマーを出禁にしたらどうなるか【法的効力】
- 建造物侵入罪 - 出禁後に店舗に無断で入店した場合に適用される。
- 不退去罪 - 出禁後に店舗を去るよう求められても拒否した場合に適用される。
- 損害賠償請求 - 出禁の客が店舗に損害を与えた場合、損害賠償を請求できる。
クレーマーに関しては、以下の記事でさらに詳細が分かります。
クレーマーの特徴・心理・対処法について総合的にまとめています。