クレーマー対処法

【元大家が解説】マンションのクレーマー入居者を追い出す方法4選

マンションクレーマーを追い出したい!

そんな風に思うマンションのオーナーさんはいらっしゃいませんか?

実は私は元公務員で、不動産投資の経験もあり、マンション経営に手を出していた時期があります。

実際に自分がクレーマーを追い出した経験はありませんが、その際にマンションクレーマーについては相当勉強しました。

そこで本記事では、マンションクレーマーを追い出す方法について解説していきます。

この記事で分かること

  • マンションクレーマー入居者を追い出すことは難しい
  • マンションクレーマー入居者を追い出す方法4つ

マンションクレーマー入居者を追い出すことは難しい

まず最初に、マンションクレーマーを追い出すことは出来るのか?と言う疑問について。

結論から言います。

・出来なくはないがかなり難しい

これです。

マンション入居者は居住権を法律で固く守られている

大前提として、入居者の「居住権」は法律で手堅く保護されています。

ちょっと考えたら分かることです。

大家さんの気分で、

お前嫌いだから家貸したくない!
もう出て行ってくれ。

一言で家を追い出されるって、かなりマズイですよ。

だってその瞬間に家なし子になるわけで、生活が脅かされます。

そのため、借地借家法は賃借人の権利を保護しています。

簡単に言えば、

・大家の一方的な都合で入居者を退去させることは禁止

と言う内容の法律です。

借地借家法は、オーナー(貸し手)ではなく入居者(借り手)を守っています。

賃貸借契約書の特約の「騒音規定」があっても追い出すのは困難

なお、賃貸契約をする上では、賃貸借契約を結ぶことになります。

そして、大半の契約書には「騒音に関する特約」が記載されています。

・他人に迷惑になる騒音を出すことは契約上ダメです

こんな内容の特約です。

この特約に違反した場合は、契約違反ということになります。

そのため、入居者を追い出すための1つの根拠にはなります。

しかし、それだけでは入居者を追い出すことは難しいです。

受忍限度を超える騒音かどうかの判断が難しい

うるさいから追い出す!

こう持っていきたいのですが、何を持ってうるさいと定義するのかが問題です。

そもそも、うるさいというのは人によって感じ方が違うものです。

〇〇デシベル以上はうるさいとか、〇〇ヘルツ以上が耳が痛くなるとか、そんな基準はない。

つまり、客観的に見てうるさいという基準の設定が困難です。

そのため、「受忍限度を超える騒音」というのがこれまでの判例の基準です。

要するにケースバイケースです。

しかも、相手を追い出すとなると、その証拠を追い出す側が抑えなければいけません。

実際に現場に行ったり、録音したり等、とても大変です。

管理会社がきちんと仕事してくれるといいですが、それも管理会社次第ですからね...

クレーマーだから追い出すのはもっと困難

クレーマーの中でも騒音系のトラブルがある場合は、まだ追い出すことができます。

しかし、通常のクレーマーレベルでは、そう簡単に追い出せません。

例えば、

・外の草が増えてるから除草しなさい
・共用部分の掃除が甘いからもっとしなさい
・○号室から喘ぎ声が聞こえるから何とかしろ

などなど、クレーマーは何かにつけてクレームをしてきます。

しかも入居者クレーマーですから、一度クレームを解決しても、まだ関係は続きます。

そのため、1人でもクレーマーが入居者にいると、オーナーは心中穏やかではありません。

ただ、クレーマーでうざいから強制退去させるのは法律的にも無理。

基本的にオーナーは我慢するしかないのです。

マンションクレーマー入居者を追い出す方法

基本的に、入居者の権利を法律は守ります。

そのため、一度入居を許してしまうと、オーナーと入居者の立場は逆転します。

それゆえ、一度貸してしまった後は、クレーマーだろうと追い出すことは出来ないのです。

ただ、マンションクレーマーを追い出す方法がないわけではありません。

以下のようなケースでは、オーナーは入居者クレーマーを追い出すことが出来ます。

ポイント

  • 騒音クレーマーを追い出す方法
  • 大家に対してクレームを言ってくる人を追い出す方法
  • 立ち退き料を支払って出て行ってもらう
  • 信頼関係が崩れたと判断されたら契約解除OK

それぞれ解説します。

騒音トラブルも抱えているクレーマー追い出す方法

まず、比較的に追い出しやすい「騒音クレーマー」について。

このタイプは、自らクレーマーでもありながら、騒音に関して他人から苦情を受けているケースです。

この場合は、めんどくさいですが騒音トラブルの処理を行い、退去させられます。

一般的には、まず最初にマンション全室に「騒音トラブルのお知らせ」的なビラを撒きます。

後は、エントランスやエレベーターの中、掲示板などにも同じ内容の記載文を張り出します。

そして、

・改善が見られなければ退去をお願いする

的な文言を書いて、ちょっと脅します。

これで騒音が止まると、追い出せません。

ただ、騒音が鳴り止まないのなら、騒音調査をして騒音の主を特定します。

そして、騒音を理由に出て行って欲しいとお願いします。

これで相手が出て行くと言えば、トラブルは解決します。

ただ、ここでゴネられるとめんどくさいです。

強制的に退去させることは出来ないからです。

大家に対してクレームを言ってくる人を追い出す方法

次に、大家である自分にクレームをいつも言ってくる、ウザい入居者を撃退する方法。

これは、本当にめんどくさいクレーマーです。

なお、この手のタイプには地道に交渉して行くしかありません。

・退去して欲しいと思っている

と正直にお伝えして、相手に進んで出て行くようにしかありません。

交渉術の能力も必要です。

そして何より、相手次第で、再現性のある追い出し手法がありません。

自分との信頼関係はもう崩れているので、一刻も早く出て行って欲しいと念入りに伝えるしかないのです。

立ち退き料を支払って出て行ってもらう

基本的に、法的根拠に基づいて追い出すのは難しいです。

そこで、最終手段です。

「立ち退き料」を提示して、お金の力で追い出す。

おそらくですが、これが一番オススメ出来る方法です。

何度も何度もお願いベースで退去を促しても出て行かないなら、もうお金しかないです。

いくらかかるかは交渉の問題です。

こう言う時は弁護士などに間に入ってもらうのも1つの手です。

コストのかかる手法ですが、マンション経営の必要コストの1つだと思うしかありません。

信頼関係が崩れたと判断されたら契約解除OK

オーナーから契約解除を申し出ることも出来る条件に、「信頼関係が崩れたら」と言う文言があります。

これは主に、家賃滞納のことを意味しています。

賃貸借契約の相場では、3ヶ月家賃滞納だとこれに該当するケースになります。

なので、クレーマーが家賃を滞納してくれれば、それはそれで追い出すことが出来ます。

しかしもちろん、これは相手の問題。

オーナー側が戦略的に出来ることではありません。

マンションクレーマーを追い出す方法が分かった後に

マンション経営において、ある意味一番のリスクは「クレーマー入居者」です。

空室リスクとか、諸々の経費とかはまだ工夫で何とか出来ます。

ただ、クレーマーに神経をすり減らすのは、本当に消耗戦です。

そのため、オーナーチェンジ(マンション売却)などをするのも1つの手です。

また、今から不動産投資を考える人は、ちょっと考えた方がいいかもしれません。

今の時代は、不動産投資ほどリスクをかけなくても副業で稼げます。

不動産投資に取り組む場合は、勉強も大事ですが、リスクの受け入れが最と大事になると思います。

最後に:マンションのクレーマー入居者を追い出す方法

最後に、本記事のまとめを残しておきます。

この記事のまとめ

  • マンションクレーマー入居者を追い出すことの困難さ:
    • 入居者の「居住権」は法律によって厳重に保護されています。
    • 賃貸契約書に「騒音規定」がある場合でも、これを根拠に追い出すのは難しい。
    • 「受忍限度を超える騒音」の判断が難しく、具体的な基準がないため、証拠を集めることが困難。
  • マンションクレーマー入居者を追い出す方法:
    1. 騒音クレーマーの対処方法:
      • マンション全室に騒音トラブルについて知らせる。
      • 騒音が改善されなければ退去を要請する通知を行う。
      • 騒音調査を行い、主を特定した上で退去を要請する。
    2. 大家へのクレームが多い入居者の追い出し方:
      • 退去を要請する交渉を地道に行う。
      • 交渉が困難であれば、信頼関係の崩壊を理由に契約解除を提案する。
    3. 立ち退き料を支払い、出て行ってもらう方法:
      • 法的な根拠に基づいて追い出すのが難しい場合、立ち退き料を提示して解決する。
    4. 信頼関係が崩れたと判断された場合の契約解除:
      • 家賃の滞納などがあれば、それを理由に契約解除が可能。
  • マンション経営のリスクと対策:
    • クレーマー入居者による神経のすり減りは避けがたいリスク。
    • マンションのオーナーチェンジ(売却)や不動産投資の再考を検討。
    • 不動産投資においては、リスクの受け入れが非常に重要。

クレーマーに関しては、以下の記事でさらに詳細が分かります。

クレーマーの特徴・心理・対処法について総合的にまとめています。

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