クレーマー相手の接客をしていると、クレーマーを論破したくなることはありませんか?
明らかに理不尽なことを相手が言っているとします。
そして、その間違いを完璧に論破できるとします。
こうなると、クレーマーを論破して即撃退したいと思いますよね。
しかし、クレーマーを論破することはこの世で最もやってはイケナイことです。
本記事では、クレーマーを論破してはイケナイ理由&賢い論破方法を解説します。
この記事で分かること
- クレーマーは決して論破してはイケナイ理由
- クレーマーを上手く論破する方法
- クレーマーに論破されない技術
Contents
クレーマーは決して論破してはイケナイ理由

まずクレーマー対応のキホンのキの話から。
クレーマー対応では、いかなる場合も相手を論破したり言い負かしたりしてはいけません。
これはもう、絶対にそうです。
クレーマーは正しいことを言われたら引き下がるわけではない
クレーマーを論破してはイケナイ理由。
・正しいことを言われたら引き下がるタマではないから
もうね、この一言に尽きます。
そもそもクレームを言っている人は、感情論でクレームしていることがほとんどです。
自分の怒りを相手にぶつけたい。
そのために、あれこれと理屈をつけているのです。
もちろん、その理屈が正しいクレーマーもいます。
しかし中には、そもそも論として顧客の勘違いが出発点であるクレームも多いです。
ただ、それでも相手を論破してはダメなのです。
なぜなら、論破した後に今度は人格否定の攻撃に発展するだけだからです。
論破されたクレーマーは必ず接客態度にイチャモンをつける
クレーマーを正論で論破すれば、さぞかし気持ちいでしょう。
しかし、その快感も束の間。
あっという間に、地獄の時間が始まります。
なぜなら、論破されたクレーマーは高確率で逆上してくるからです。
大抵の場合、論破されたクレーマーの次の矛先は接客態度です。
論破されたクレーマーは、悔しくて悔しくてたまりません。
何か別のクレームポイントを見つけ、話題を変えようと必死になります。
そうなると、接客態度の悪さ等の人格攻撃にシフトするしかありません。
論破した相手のクレーム処理はまず上手くいかない
クレームとは、基本的に以下の2つの段階に分けられます。
クレーム対応を考える上では、「製品レベル」で止めておくことがセオリーです。
製品レベルとは、その名の通り、製品に関するクレームです。
買った商品が動かない等のクレームです。
しかし接客レベルとは、クレーム担当者の接客の仕方に関するクレームです。
製品レベルのクレームであれば、合理的な解決案を提示することが出来ます。
ただ、接客レベルになると、合理的な解決などない。
相手の感情が収まらなければクレーム処理は終わりません。
相手が感情的な人間であればあるほど、クレーム対応は長期化します。
こうなっては、その日1日のあなたの仕事はクレーム対応で終わってしまいます。
クレーマーを上手く論破する方法

クレーマーを論破してはいけない。
これは大原則ですが、やっぱりムカつくので論破したいと思いませんか?
その場合、以下のような方法で論破しましょう。
それぞれ解説します。
質問攻めで論破する
クレーマーを論破したい場合、直接論破するのはマズイです。
そこで、論破するというより、質問攻めで相手の落ち度を指摘しましょう。
例えば、契約書に書いてあるのに、知らなかった的なクレームを言われた場合。
そうですね、返品は7日以内と書いてあるのに、1ヶ月後に返品したいとゴネているクレーマーを想定しましょう。
この場合も、相手に質問することを出発点にしましょう。

すいません。
私まだ新人なもので、恥ずかしながら契約の内容を承知しておりません。
どのような契約内容だったか、教えて頂いてもよろしいでしょうか?
まずはこんな感じで、相手に聞く。
そしてある程度相手に話させた後、契約書の記載事項を読み上げて相手に再び質問。

契約書に返品期限について書かれているところはどこかご存知でしょうか?
こんな風に、じわじわ質問で確信ポイントに迫るイメージです。
相手に自らの落ち度を自分で気づかせるのがポイントです。
「はい」か「いいえ」で答えさせる
相手を論破するとしても、基本的には質問の延長線上に論破を持っていきましょう。
とにかくポイントは「質問力」です。
そこでオススメなのが、「はいかいいえ」で答える質問を淡々と相手に答えさせることです。

契約はしましたか?
「はい」か「いいえ」で答えてください。

契約書の確認事項を読んで、チェックしましたか?
「はい」か「いいえ」で答えてください。

契約書の確認事項に、返品期限は7日以内って書いてますか?
「はい」か「いいえ」で答えてください。

あれ、ということは?
これはやりすぎですが、最終的に相手が間違っている状況を作るのがコツ。
自らボロを出させるのが最大のコツです。
このことは、論破王ひろゆきさんの本「論破力」に書かれています。

なぜですか?と聞き続ける
最後も質問論破です。
明らかに相手がおかしなことを言っている場合、自分で自分の矛盾に気付かせないと無意味です。
そこで、相手の言っている事に、こちら側はイチイチ意見しない。
そうではなく、常に質問で返して相手からボロが出るのを待つのがコツです。
オススメは、ほぼ全ての質問に「なぜですか?」「どうしてですか?」で切り返すこと。

返品してください?

どうしてですか?

自分にはこの商品合わないと思ったからです。

なぜですか?

この服着てみたけど、サイズが私に合わないから。

なぜサイズが合わないのですか?
こんな感じで永遠に質問し続けてください。
どこかで相手はボロを出します。

返品できると思った理由はなぜですか?
まで持っていけば、あとは契約書の話に飛ばすだけ。

契約書に返品は7日以内と記載されています。
返品できると思った理由はなぜですか?
ほとんどロジハラですが、最後「なぜ」だけを聞く続けると、最後のなぜで相手は死にます。
クレーマーに論破されない技術

クレーマーを論破したいなら、ディベート力が大事です。
そして何より、論破するよりも「論破されない技術」の方が実はもっと重要です。
そこで最後は、ロジック型のクレーマーに論破されない技術を紹介します。
ポイントは以下の通りです。
それぞれ解説します。
意見を言わない
論破されたくないなら、意見を言わないのが鉄則です。
例えば、「起業しないと幸せになれないと思う」とか言わない。
こんなのって主観ですから、論破しようと思えば誰でも論破できるわけです。
そうではなく、トークでは「事実」を言う。
・犬はワンワン吠えます
と言う事実は、誰も論破できません。
クレーマーとのやりとりでも、常に事実ベースでトークするのがコツです。
曖昧な言葉を使わない
論破されがちな人は、曖昧な言葉ばかり使います。
しかし、曖昧な言葉はすぐに論破されます。
「それってどう言う意味?」
って深掘りされると、どっかでボロが出ます。
そして、そこを集中攻撃されて論破されます。
クレーマーとのやりとりでも、絶対に曖昧な表現を使わない。
ロジック型のクレーマーは、あなたの曖昧表現を絶対に見逃さないです。
感情言葉で返す
ロジック型のクレーマーは、とにかく論理武装がうまいです。
そのため、よほど賢い人でないと、この手のクレーマーには言い負かされます。
そこでオススメなのは、議論戦に持っていかない事です。
論理で言ってくる相手に対して、すべて感情ワードで反応する。
正直、ロジック型の人間はこのタイプが苦手です。
なぜなら、感情は論破できないから。
・私は悲しいと思う
と言う感情を論破出来ますか?
そう言う事です。
論破されない言葉=感情ワードだけで返していれば、構造的に論破されないのです。
総括:クレーマーを論破してはいけない理由&対処法
最後に、本記事のまとめを残しておきます。
この記事のまとめ
- クレーマーとの議論を避けるべき理由:
- クレーマーは感情に基づいてクレームをしているため、論理的な反論が効果的でないことが多い。
- 論破しても、クレーマーは引き下がらず、接客態度など他の点を攻撃する可能性がある。
- クレーマーに論破されない技術:
- 意見を言わず、事実だけを述べる。
- 曖昧な言葉を避け、具体的な表現を使う。
- 感情に基づいた言葉で応答することで、論理的な攻撃を避ける。
- クレーマーとの対話法:
- 相手に質問をして自己解析を促す。
- 単純な「はい」「いいえ」の質問で相手に答えさせ、論理的に導く。
- 「なぜですか?」と繰り返し質問することで、相手に自己矛盾を認識させる。
クレーマーに関しては、以下の記事でさらに詳細が分かります。
クレーマーの特徴・心理・対処法について総合的にまとめています。